ピヨピヨと小鳥のさえずりが聞こえる春の朝
「───ろ…」
………。
「───きろ…──っり…」
…んーあと五分~
「────きろ…っ…由莉っ!!」
「うわっ!!」
バサっと布団を剥がされ、視界が一気に明るくなる。
「う゛ーまだ眠いのに~…」
「馬鹿由莉、さっさと起きろ」
目の前の奴に言われて、私はしぶしぶと布団から這い出た。
私の名前は五十嵐由莉(イガラシユリ)
見た目通り、普通の女子高生
これといって取り柄もなく、成績も常に3が並んでいる。
そして目の前のこいつの名前は神宮裕也(カミヤユウヤ)
隣の家に住んでいて、世間一般でいう幼馴染
実は私、昔から裕也のことが好きだったりする。
今でも一緒に登下校したりしていて、それが唯一の楽しみなんだ。