「あっ、ここいれてもらっていいですか?」
いつもより控えめに声のトーンを下げて背の高い男の子に話しかける
「あっ、どうぞ。」
背の高い男の子はそう答えた
「ありがとうございます。」
前にはぼっちゃり目な男の子だから、私の居るべき場所はここだ。
よしっ、これから私は本当の意味で女子高生になる。
小さな頃に思い描いていた高校生。
クラスではみんなと仲良くやり、
男女問わず和気あいあいとしていて、
部活では活躍し、恋愛もしている。
帰りは彼氏と帰り、
寄り道をしたり、クレープを食べに行ったり、
手を繋いだりする。
夜はメールをしたりする。
そんな思い描いていた高校生に私はなれるのか。
そんなことを考え、
大きな体育館の横のテニスコートに並んでいた。
それにしても、今日は良い天気だ。
――雲ひとつ無い晴天


