次の日、ほのかはいつも通りに朝食を作っていた。

「おはよう、ほの」

スウェット姿の真人が寝室から出てきてほのかの頭を軽く撫でた。

「おはよう、真人さん」

にっこり笑ったほのかの額にそっとキスをして真人はゆっくりとした足取りで洗面所に入っていった。

顔を赤らめたほのかは照れを隠すように野菜炒めに向き直る。

数分後に真人も洗面所から戻って朝食の準備が出来たのでふたりとも小さなダイニングテーブルに向かい合って座った。

「ほの、藤岡さんに今日の夜行くって連絡したよ。6時に藤岡さんの家だから、俺は5時半には家に帰ってくるよ。そしたら一緒に行こう」

「はい!真人さん、ありがとうございます」

「いいんだよ。さ、ご飯食べよう。今日は野菜炒めか。うまそう」

「ふふ、食べましょ」

二人は毎朝ちょっとした会話を楽しみながら一緒に朝食をとるのが日課になっていた。