俺はその子に吸い寄せられるかのように、いつの間にか後を追いかけていた。 (どこに行くんだ?) 一瞬、姿を見失ったがなんとか再びその子を見つける事ができ、10メートル程距離を置いてまた後ろを着いて行った。 (ここは…?) 着いた場所は、敬典から聞いた通りの校舎裏の林に面した所に、普段見慣れている学園の校舎・施設と比べると古ぼけて見える、旧館と思われる建物が建っていた。 その建物に目を奪われている隙にあの子はどこかに行ってしまった。 (この中か…?) .