「ご利用、ありがとうございました…。」
ペコッとお辞儀をして、笑顔で俺を見てくる彼女。


(くッ…可愛いな。)
俺は思わず彼女から視線を反らした。
更によく俺の顔を見るように首を傾げる彼女。
とうとう俺は顔を背けてしまった。


(また逢いたい。)
素直にそう思えた。
「…また来る。」


「は、ぃ…。」


~俺は、旧館を後にする時に背中への視線を感じた。視線は館外に出るまで感じた。今さっきまで同じ空間に居た彼女を想いながら校舎に戻る。これが恋の始まりとも知らずに。ここが、俺と彼女を繋ぐ場所。~

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