「じ、じゃあ、貸出カードを作るので、これに学年とクラスと名前をお願いします…。あと…生徒証、持っていたら提示をお願いします…。」
(なんで目を見て話さないんだ?)


俺は返事もせず用紙に必要事項を書き出した。


用紙に記入している間、やたらキラキラした瞳で凝視されているのに気づいた。
記入が終わり顔を上げると想像した通りの眼差しで俺を見ている彼女。

「ん。……ん!…おい!」
(なんでボーッとしてんだ?)

「ひゃい!?」
またもやビクついた彼女。
(さっきからビビってばっかだな。)

「生徒証。」


「あ、ごめんなさい…。 ありがとうございます。少しお借りします。」
生徒証に記されている 俺の学籍番号と学年クラス、名前を学校で保管する貸出利用者リストの1番目に記入している。

(1番目の欄か?…ってか俺初の利用者?……ん?)
彼女を観察していると名札に目が行った。

(小日向?なんか苗字と合った雰囲気の子だな。)


「ありがとうございます。お返しします…。では…返却期限は2週間後になります。返却期限を過ぎてしまうとこちらから督促状を出させて頂きますので…。」


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