大嫌いな父が言った言葉。
母は、過労で死んだのではないそうだ。
 
末期のガン。
それを隠し、自分のせいだと教えてきた。
 
その方が、悲しみは減るだろうと。
憎しみが、悲しみに勝るだろうと。
 
父は、自分が嫌われる、憎まれるのを覚悟していたのだ。

それくらいなら、代償を支払っても良いと。
 
 
皮肉にも、この
僕の嫌いなたったひとつの
望まれて生まれた命が
確かにある場所を見つけてしまったんだ。