「大丈夫だよ、気にしなくて。」


ふわりと笑ってくれた樹さんに従って手を下ろす。


「次はー、蓮だね」


樹さんが発した言葉を聞き、蓮さんの方を向く。


今、自己紹介中だって忘れてた・・。


蓮さんは何かを考えている様子で、樹さんの声に気付かない。


「蓮ー、蓮、次だよ。」


樹さんが蓮さんの肩を揺さぶると、ハッとしたように顔を上げた。