「真子、ちょっと待ってて!」

綾美はそう言うと、屋上から出て行った。

しばらくして、帰ってきた綾美の手には二本のホットココアが握られていた。

「はい。
ココアの温かさは、絶対に人を裏切らないんだって。
…お父さんが言ってた。」

綾美にもらったココアは温かくて…

「ねえ、綾美」

「ん?」

私は綾美に聞いた。