「え?」

「だって、真子が論文が入ったUSBなくした時、
本当は真子のデータ保存してないのに、先生持ってるって嘘ついてさ」

あぁ、そんなこともあった。

真子というのは早瀬の親友だ。

あれは、高3の担任をもってすぐだっただろうか。
真子が大切な論文の入ったUSBを失くしてしまったと言ってきたのだ。
もともと手書きの原稿はあったものの、
手書き原稿では提出できないため、パソコンに打ち直していたのだ。
しかしその原稿がすべて失くなった。

俺は、あのとき、
真子の原稿は確か保存してあるからコピーしてくるわ
とかなんとか言って、学校で必死になって打ち直したんだっけ。