「券買っちゃたもん」 「やだー 泣」 「これ俺行きたかったんだもん」 子犬のよぅな目で顔を覗き込んでくる。 せこぃっ! そんな目で見られたら行くしかなぃじゃなぃか 「・・・んぢゃがんばる」 「よっしゃ♪んぢゃ行きましょか」 そぅ言って自分の左手を差し出してくる和樹。 「はぃ」 その手を軽く握ると、暗い病院をモチーフにした建物に脚を踏み入れた。