涙が零れた。


ぽたりと土に落ちる涙が数滴、
公園の灯りに照らされて見えた。


泣きながら喋る私を、
猫が不思議そうに見つめている。


家では泣けなかったのに、
ここでは信じられないほど、泣ける。


変なの...


「蒼!」


誰かの声がした。


でも、結構遠くからの声だ。


誰の声かは分からない。


お母さんかな、お父さんかな。


心配掛けちゃったかな...