零くんに声をかけたのは朝だったのだけど、
私はそんな気分で授業を受けたくないと思って、
保健室へ向かった。




やがて、夏休みになり、
私は毎日部活で忙しかった。


ある日の練習の帰り、
私は本屋さんで夏川くんに会った。


「あれ?功刀さんじゃないですか。」


先に気付いたのは向こう。


彼はもう本を買った後のようだった。


私は、一冊の本を持って、
買おうか買わないか迷っていたところだった。


夏川くんは私の持っていた本を見て、


「あ。」


と呟く。