「零くん。」


「何?」


「昨日夏川くん泣」


泣いてたけど大丈夫、
と聞く前に零くんが言う。


「気にすんな。
ていうか、ほっといてやれよ。」


と。


乱暴なその物言いに、
少し傷つく。


そう言った小さな傷を、
再び出逢った零くんからは幾度も受けている。


なんだか、悲しい。