「早坂。」


名前を呼ばれて、降り向く。


どうしてこいつは俺の名前を知ってるんだ。


それに、どうして俺を引き止めたりするんだ。


色々疑問に思っていると、


「僕、ナツカワって言います。
“夏”の“川”って書いて」


「あぁ、そう。」


今度こそ、変人の前から立ち去る。


あの変人の前にいると、
思い出してしまう。


いつか失った、大切な友人を。