one years ago〜1年後〜


said MAKOTO


「おまわり…私幸せだよ。おまわりにあえて本当によかった」

「何いってんだよ。」


「いまこうしてここにいるのも、全部あの日があったからだよね。」


「そうだな。」


「トリックがわかるとちょっとつまんないけど、これも運命だって、思って良いよね?」


「運命だよ。俺とお前は結ばれる運命だったんだ。」


「うん…幸せにしてください」

「幸せにします。」


…また夢か。


葵が死んでから一年間、毎日のように同じ夢を見る。


ウェディングドレスに身を包んだ葵が、幸せそうに笑う。


醒めなければ良いと何度願っただろう。


このまま、眠り続けていられたら、どれだけ幸せだろう。


昨日の飲みかけの酒を、冷蔵庫から出して、一気に飲み干した。


タバコに火をつける。


初めて葵が、タバコを口にした日を思い出す。


それから俺がタバコを吸う度に「何がそんなに良いのか理解できない。」って言ってたな。


俺にもわからないよ。


気づいたら手が伸びてんだから。