やっぱ一人が良いや。


誰も傷つけなくてすむから。


「言っちゃったんだ。美紀は普通じゃない。私とは違うんだって。」


そう思ってるのに、この人に話してしまうのは、何でだろう。

「自分と全く同じ人間がいたら気持ち悪くない?それに普通って何だよ。」


「えっ?」


「俺にとっちゃお前だって普通じゃないよ。以上なくらいまっすぐで、純粋で、浮き沈み激しいし。めんどくさい。」


「そんなの普通だろ。」


「お前にとってはな。けど周りから見たら変わってるんだよ。美紀だってそうさ。お前は、他の人ができることができないから、普通じゃないって言ったんだろ?でも美紀にとってできないのが普通なんだ。だから美紀は【普通】だよ。お前が言ったのは、世間一般の【普通】ではないってことだろ?でもお前は知ってるはずだ。美紀の中にある【普通】の基準を。」


「でも…私ひどいこと言った。友達を裏切った。」


「あいつなら許してくれるさ。」


そういう問題じゃないんだ。


「挽回しろよ。裏切ったから顔を合わせないなんて逃げるようなもんだぜ。そんなんで幸せなんか見つかるかよ。」


おまわりは私の心を見透かしているかのように言い放った。