何も言わず黙り混んだ私にそいつは、勝ち誇ったような笑みを向けた。

カッチーン。


キレたぜ。


さすがに。


「まぁこの子も、自分が万引きしたことを理解してないんだろう…仕方ないな警察に…」


思いきり机を叩くと、驚いて男が顔をあげる。


「てめぇいい加減にしろよ!!気づいてんじゃねぇか!!こいつは普通じゃないって!美紀は自分が何でここにいるのかも理解できてないんだよ!!」


…何だよその余裕の笑みは。


「君は、自分の友達をそんな風に思ってるのか。普通じゃないってこの子を見下しているのか。」


…くそっ!!


何も言い返せない。


私は美紀をどんな風に見てただろう。


自分とは違うって思ってた?


「…わり…おまわり…。」


整脈を裂くように、美紀が助けを求めるようにそう言った。


「君の普通じゃないお友だちは警察に連絡してほしいようだよ。」


コノヤロ〜!!


「…そうじゃない。知り合いにサツがいる。そいつのことをいってるんだ。」


そいつはヘラヘラ笑いながら、私が教えた番号へかけた。


しばらくしておまわりが到着して、私は逃げるように店を出た。