あの時もそうだった。



罰ゲームであたしに無理矢理キスを迫った時も、


涙を流したあたしを蓮は優しく包んでくれた。



「ねぇ…蓮」


「何?」



今なら…自然に聞けそう。



「蓮って彼女いるの?」


あたしは目を閉じたまま、祈るように返事を待った。



「いないよ…」


「ホント?」


「ホント」



あたしはホッとして顔を上げると、蓮があたしを見つめていた。