あたしの落書きで、蓮は酷い顔だった。



「何がそんなに可笑しいんだよ!!」



蓮が怒れば怒るほどマヌケ面に見えてきて、


あたしは腹を抱えて笑った。



「鏡見て、鏡」


あたしの言葉で蓮は鏡の前に立つ。



「お前ぇぇぇー!!」


「ごめん、ごめん。つい…」


「これ油性じゃねえだろうなぁ!?」


「さぁ…」


「さぁじゃねえよ!さぁじゃ!!」





こうして…


笑いと怒りに満ちた二人だけの夜は更けていった。