「君の全てが知りたいんだ」 あたしはゆっくり目を閉じた。 お母さん…天国のお父さん…ごめんなさい。 あたし…ストーカーに… 『たっだいまー』 玄関のドアが開く音と共に、お母さんの陽気な声が飛び込んでくる。 「あっ、おばさん帰ってきた」 男はさっきまでとは別人のような明るい顔になると、 あたしの体から離れて、部屋を出ていった。