あいつは、ああいう感じが好みなんだろうか…? 確かに、蓮も茶髪にピアスで制服も着崩して、 いわゆる不良ってやつ。 あたしとは仲良くならないタイプだよなぁ…。 って… 何であたし、あいつの事ばっかり考えてるんだろう…? 「奈緒…ちょっと、奈緒」 小声で呼ぶ陽子の声で、あたしは我に返る。 「次、奈緒の番だよ」 顔を上げると、教壇で先生が眉間にしわを寄せていた。 「えっ!!えーと…」 慌てて立ち上がるあたしの姿に、教室から笑い声が上がった。 恥ずかしい…。