お父さんが眠る墓地は、歩いて10分くらいで着いた。 途中で買ったお花をお供えして、手を合わせる。 蓮も隣で一緒に手を合わせていた。 お父さんに近況の報告をして目を開けると、蓮がこっちを見ていた。 「何?」 「俺の事ちゃんと紹介してくれたかなぁって?」 「えっ?」 「初めての彼氏ですって」 「もう!!」 蓮の脇腹を、あたしは抓った。 「蓮の方こそ、ちゃんとお父さんに挨拶したの?」 「あぁ…したよ」 「なんてしたの?」 「奈緒ちゃんを一生幸せにしますって」 「なっ、何それ…」