「ごめん。隠すつもりはなかったんだけど…」


「よかったじゃん。奈緒にとっては初めての彼氏ってやつだね」


「ちょっと陽子、今それを言わなくても…」



蓮の方をチラ見すると、こっちを見ていた。



「へぇ、奈緒ちゃんは俺が初めての彼氏なんだ?」


蓮がニヤリと笑う



まったく…。


さっきまで、知らん顔だったくせに…。



あたしはテーブルの下で蓮の手を抓る。



すると、蓮はまた窓の外を眺めながら、あたしの手を掴んだ。



あたしも蓮の方を見ないように意識する。



テーブルの下で、あたし達はこっそり手を繋いだ。