「お姫様、大丈夫ですか?」 あれ?この声は…。 声のする方に振り向くと、そこに蓮がいた。 「え!!何で!?」 「奈緒ちゃんを置いて、一人で乗るわけないだろ」 「ごめんね…蓮」 「ホントだよ、これ無駄になっちゃったし」 ただの紙切れと化したチケットを、蓮は丸める。 「ごめんなさい」 「じゃあ、体で弁償してもらおうかな?」 「また、そういう事を…」 「冗談だから、もう泣かないの」 蓮はそう言って、優しくあたしの頭を撫でた。