「話って何かな?」


人気の少ない所に移動すると、あたしはすぐに尋ねた。



「この前の事なんだけど…」


「うん…」


「突然キスしちゃって、ごめん」


立花くんは深々と頭を下げる。



「ちょっと、頭上げてよ…」


「でも…」


「確かに突然でビックリはしたけど…別に怒ってないから」


「ホントに?」


「うん…」


「よかった。佐藤さん花火に来ないって言うから、てっきり怒ってるのかと思って…」


「今日はお母さん達と一緒に行く約束をしてて…」


「そっか」



ケータイで時間を確認すると、船が出るまで後5分しか時間がなかった。