「あれ!?奈緒じゃん」


「キャー!!神谷くんもいる!?」


屋形船乗り場に向かっていると、背後から聞き覚えのある声がした。



恐る恐る振り返ると、陽子と明美がいた。



おまけに立花くんまで一緒…。



「きっ、奇遇だねぇ…」


「ちょっと奈緒!!家族で来るんじゃなかったの!?」


明美が凄い勢いで詰め寄ってくる。



「それが、いろいろあって…」


「まったく!!抜けがけなんかしちゃって」


なぜかあたしは、明美に長々と説教をされるはめに…。



「俺、先に行ってるから」


「ちょっと…」


明美に捕まったあたしを置いて、蓮は一人で歩き出してしまう。