「じゃあ、あたしは部屋に戻るね」 「あぁ」 洗い物を終わらして、あたしは二階に上がった。 部屋に戻ると、テーブルに置かれた手帳が真っ先に目に入る。 予定の欄には、明美の字で『デート』と書かれているはずだ…。 あたしは手帳を引き出しにしまい、ベッドに横になる。 どうしよう…。 明美はともかく、陽子まで乗り気になっていた…。 「二人の恋のキューピットは、私達に任せて」 帰り際に、明美と陽子はそんな事を言っていた。 今はまだ、恋なんてする気になれないよ…。