「そっか。じゃあ、またね」 あたしは手を振り、再び歩き出す。 日は沈みかけて、辺りは暗くなり始めていた。 「佐藤さん」 あたしはもう一度振り向くと、立花くんが駆け寄ってきた。 「どうしたの?」 「やっぱり家まで送るよ」 そんな言葉と共に、立花くんはあたしの隣に並ぶ。 「いいよ。遠回りでしょ」 「暗くなってきたしね」 立花くんは、あたしの前を歩き出す。 仕方なく、あたしは立花くんの後を追った。