蓮の気持ち…。 蓮の幸せ…。 そんな事が、頭をグルグルと駆け巡り、プールは全然楽しめずに終わってしまった。 「それじゃぁ、解散」 駅でそれぞれの家の方向ごとに、分かれて帰宅する。 「佐藤さんと同じ方向だったんだね」 「みたいね」 あたしは立花くんと一緒に帰る事になった。 「元気ないね、疲れた?」 「そっ、そんな事ないよ」 立花くんのせいだよ…なんて事は言えない。 夕日でほんのり赤く染まった道を、 あたしに歩幅を合わせるように、立花くんはゆっくり歩く。