「あっ、ごめん。お金いくらだった?」 「いいよ」 「えっ、あたし払うよ」 「バイト代が入ったばっかりだから、俺が奢るよ」 「でも、悪いよ…」 「こういう時は、男を立てるもんだよ」 そう言って、立花くんは歩き出してしまう。 立花くんは優しい。 きっと、こういう人が彼氏だと幸せなんだろうなぁ。 「立花くんの彼女さんが、羨ましいよ」 「えっ、急に何?」 「立花くん優しいから」 「彼女なんていないよ」 「そうなの?」