あたし達が呑気な会話をしている間に、蓮の背後で下田くんが立ち上がる。 下田くんの右手には、屋上に転がっている木材が握られていた。 「蓮!危ない!!」 蓮が振り返るのと同時に、下田くんは木材を振り下ろした。 蓮は木材を避けずに、あたしを包むように抱きしめた。 蓮の体越しに、鈍い音が伝わる。 もしかして、あたしを庇うために…。 「大丈夫!?」 「あぁ、大した事ない…」 蓮が顔を上げると、頭から血が流れていた。 「蓮!!血が!?」 「大丈夫、そんな事より…」