一瞬だけ、そんなふうにも思ったけど、あたしに跨がる下田くんも辺りを見回していた。 よかった、幻聴じゃない!! あたしはホッとして地面に頭を付けると、真上に蓮の姿があった。 蓮は貯水タンクの上にいたのだ…。 まだ下田くんは蓮の居場所に気づいていない。 今のうちに、早く助けて!! 必死に目だけで蓮に訴えかける。 すると蓮は、3メートル近くある貯水タンクから、まるで特撮ヒーローみたいに、飛び降りた。 えぇぇー!! 完全にあたし達に向かって、飛んできてる!!