「何すんだ!テメェ!!」 陽子が、ケータイを取り返してくれたのだ。 「ちょっと、奈緒は知らないって言ってるでしょ」 明美もあたしを助けてくれる。 陽子…… 明美…… 「ちぇっ」 下田くんは、不機嫌そうに舌打ちをする。 でも、それ以上は何もせず下田くんは教室を出ていった。 「よかったぁー」 安堵したあたし達は、力が抜け、 放心状態のように、しばらく何も喋れなかった。