「ちょっと、明美。落ち着いてっから喋ってくれる?」



陽子の言葉に、明美は息を整えてから話を始める。



「神谷くんがね!!」


「蓮がどうかしたの?」



蓮なら昼頃から姿を見ていない。


たぶん、いつものサボりだろう。



「神谷くんが狙われてるの!!」



???


あたしと陽子は顔を見合わせて、首を傾げた。



「もう一回、落ち着こう」


陽子が明美の肩をポンッと叩く。



「だからね、下田くんのグループが神谷くんを狙ってるんだって」


「狙ってるって…」



下田くんとは、学校の不良達をまとめるボスみたいな存在の人。