「早く夏休みにならないかなぁー」 休み時間の教室、 机に体を伏せて、陽子が怠そうな声を出す。 「もうちょっとの辛抱だよぉ」 あたしも机に頬を付けた格好で、怠い声を出した。 成績発表も終わり、あとは夏休みを待つだけの期間。 教室全体が、期末テストの余力だけで走っているかのように活気がない。 「まぁ、夏休みになっても受験勉強で忙しいんだけどね」 「陽子…お願いだから、それだけは言わないで」 とりあえず…今だけでも、勉強の事は忘れていたい。 はぁ…。 あたしと蓮の仲も相変わらず…。