二人きりのリビング。 お母さんが帰宅するまでの、二人だけの時間。 蓮はコーヒーをテーブルに置くと、あたしの隣に腰掛けた。 ソファーはもっとスペースがあるのに、なぜか肩が触れ合う近さを選ぶ…。 コーヒーカップに口をつけて、蓮は夕方のドラマの再放送に目を向ける。 あたしはテレビを見る振りをして、視界の隅の蓮の様子をずっと覗っていた。 静かなリビングに、テレビの音だけが流れている。 絶好のシチュエーション。 蓮は飲みかけのコーヒーをテーブルに戻した。 たぶん…この辺りで…