「最低!!」



バシンッ!!


あたしは生まれて初めて、ビンタというものを喰らった。



「ちょっと、どうしたの!?明美!!」


陽子が慌てて、あたし達の仲裁に入った。



「奈緒は心の中であたしのこと笑ってたんでしょ!?」


「それは誤解…」



あたしを睨む明美の瞳には、涙が溜まっていた。



そんなに…蓮の事が好きだったんだ。



野次馬のように人が集まってくる。



「奈緒のバカ!!」


明美はそのまま野次馬を掻き分けて、教室を飛び出していった。