終わらせよう、こんな不毛な関係。

詩織は伝票を持って立ち上がった。

重たい荷物が苦笑いを誘う。

そしてゆっくり彼のところへ歩いていった。

車も乗らずにこう言うのだ。

「別れよう。」

きっと彼もこう返すだろう。

「分かった。」

呆気ない巻く引きだけど、所詮恋愛なんてこんなものだ。

それでも涙は出るだろうから我慢せずに泣こう。

次に進まなきゃ。

何年経っても相手を気にすることができる自分に、それを返してくれる男性に巡り逢えますように。

とりあえず誰かに話を聞いてもらってスッキリしてからだ。

詩織はそっと思いを巡らせた。

「もしもし?今度飲みにいかない?奢るからさ。」

恋も大事だけど、友情も大切だ。