日に日に文字数や色気が少なくなっていくメールも、トキメキや安定より苛立ちが多くなっていく電話も、全てが不満要素だ。

どうせ会っても適当な会話と変わりない体の交わり。

こういうの、何て言うんだろう。

マンネリ?

違うな。

「セフレ?」

誰にも聞こえないほどの小さな声で呟いて苦笑いした。

こんな手間隙かけるセフレなんかあるのか。

自分自身に突っ込みをいれて、現実から逃げるように額と目を片手で覆う。

特急で良かった。

ただただ速度を上げて走り続けてくれるこの空間は停車数が多い快速に比べて心が落ち着ける。

一人の世界に入れる。

このまま終点まで行ってしまおうかとまで考えてしまった。

でもそうも出来ない自分の弱さが目的の駅で腰を上げさせる。

すぐに来る筈のない相手を待つのはすごく疲れるということを彼は分かっているのだろうか。

いや、分かってないな。