一瞬だけ、命をください

『直るんだよね…』

電話の向こうから聞こえた潮の声が陸の耳の中でこだまする。

『直るよ』
って自信を持って言いたかった。

でも、言えなかった。

それが悔しかった。

潮が作った約束。

『並木道をまた歩こう』
イチョウが綺麗な季節まであと1年。

先月、ちょうど今年分が終わったところだった。
この頃から、陸は自分の命の短さを感じていた。