先輩と音楽室*短編


コーラス部の部長といっても、あたしは上手いわけではない。


我が高校のコーラス部は、二年生4人一年生4人という規模の小ささだ。


男女比は1:1なのでいいところといえばそれくらいか。


4人の中から部長を選ぶのだ。

こんないいとこなしのあたしでもなってしまう可能性があって。


他の三人は兼部をしていて、来れない日がたまにあるのであたしがなってしまった。

ならなきゃいけなかったというべきか。


でも、繰り返すようだがあたしは別に上手くない。


謙遜とかではなく。


合唱は高校に入って始めたので、知識があるわけでもない。


でも、仕切らなきゃいけない。
部長として、みんなに指導をしなきゃいけない。


4月に入ってくれた一年生も察しているだろう。


上手くなりたいとは心から思ってるのに。


この先輩みたいに。