先輩と音楽室*短編


「いや別に…
え、今日って音楽室コーラス部使う?」


先輩が気まずそうに訊いてきた。


「いや、
授業で携帯忘れちゃって取りにきただけなんで、どうぞ使っててください。」


あわてて言うと、先輩は

「そっか、じゃあ遠慮なく」


と、また歌い始めた。



きいたことのある曲だった。


何語なのか…
きっとドイツ語かイタリア語だ。



どうしたら…

こんな風に歌えるんだろう…