俺は音がした方向に目を向けた。
するとそこには…
「奈々…」
そう、奈々が居た。
俺は動けなかった。
すると奈々が、今にも涙が溢れそうなくらい涙を溜めて走り去って行った。
「奈々…っ!!」
俺は追いかけようとした。
が、それは許されなかった。
「まだいいよって言ってないよ。」
咲が俺に言った。
「けど…!!」
「いじめていいんだ?」
「………っ」
すると咲が
「あと、30分、ここにいてね?そしたら良いよ。」
そう言って出ていった。
俺はせめてと思い、奈々に携帯から電話をかけたら、電源が入ってないのか繋がらなかった。


