「止まれって言われて止まる馬鹿はこの世には存在しねー」






「何言ってんだ!!いいから黙って従わんか」







翔太コノヤロォオ



挑発するなって








恐る恐る再び後ろを振り返る







「ひっ!」



思わず悲鳴を上げてしまった








はちきれるんじゃないかってくらい中Tの額にはくっきりと血管が浮き出て、顔は茹でダコのように真っ赤だ






「いいから止まれぇ」




「え~、ここでストッピングしちゃったら絶対捕まっちゃうじゃねえか
まずはしげるんが止まっちまえよ~」





・・・・いつの間にか隣にいる伊織







なんで一緒に走ってんの、なに笑顔振り撒いてんの、なに挑発してんの




今伊織に言うべき事は沢山ありすぎて泣けてくるけれど、あたしは呼吸を整える事でいっぱいいっぱいだ