「何回目だっけ?」




数えてなんかいられない。その時、その時が勝負なんだ。数えてなんかいられない。




「別に構わんけどさ」




だったら訊くな。どうでもいいことなら、訊くな。





「ココア、淹れるね」




うんと甘いやつがいい。頭が痛くなるくらいに、うんと甘いやつ。




「真咲」





額を緩く締める包帯。慣れた手付き。真咲の柔らかい手。温かい手。






「ごめんなさい。もうしない」






この台詞、何度言ったっけ。苦笑いする真咲の顔、何回見たっけ。





僕の涙は何回でも溢れ出す。

END