お化け屋敷、やっぱり行かなきゃよかったよぉ…。
本当に怖すぎるっ!!
はぁ…グスッ

「あれ、どうしたの? 泣いてる?」

…え。
突然声をかけられ、声のしたほうを向くと…い、イケメン!!!?
しかも、同じ制服着てるし。

「…し…もし……もしもーし!」

「ひゃいっ!!!??」

「ひゃい! って可愛いな♪
 ね、大丈夫? 痛いとこない?」

どうやらこのイケメン先輩(勝手に命名)は、痛くて泣いてるんだと思ってる。

ってか、めっちゃびっくりしたよ…。
気がついたら、キレイな顔が目の前にあるんだもんっ!!

「どうして泣いてるの?」

そう言って、私の隣に座った。

「あ…お化け屋敷で…」

なんか、この人の声すごく落ち着くな…。

「あぁ、俺らのクラスか。怖かったろ?」

「はい…って、え!?」

今、俺らのクラスって言ったよね?
なら、この人先輩!?

「ごめんな。だからあそこまで本格的にやらなくていいって言ったのに。
悪かった…」

そう言って、私の頭を撫でてくれた。
あ…この人、手も落ち着く…。

少しひんやりと冷たい先輩の手が心地よくて、自然と先輩の方に寄りかかってしまった。
その時…

―――ちゅ

…え、今なんかあたった?
って、き、キスぅぅぅ!!?

「ねぇ、名前教えて?
俺は翔。桐谷 翔。」

イケメン…桐谷先輩はそう言って、優しく微笑んだ。