私が彼と出会ったのは、高校に入学してから、初めての文化祭のときだった―――――。



私は一条あかり。高校1年生。
今、文化祭の最中なんだっ!!
高校初めての文化祭で、友達と回っているところ。

「ねぇ、2年3組のお化け屋敷がけっこう怖いって評判だよ! 行ってみよ!」

この子は友達のアヤ。高校に入ってから最初にできた友達。
好きなモノや趣味が似てて、すぐに仲良くなっちゃったの!

「えー、うち怖いの嫌いなの、アヤ知ってるじゃん!!」

「大丈夫。私がついてるんだから平気だよ!ね、行こ?」

もう…。アヤってば強引なんだから。
でも、怖いけど興味はあるかも…。

少々強引なアヤだけど、優柔不断の私にはとてもありがたかったりする。

「うわー、けっこう並んでるね。
てか、受付の人までお化けになってるよ」

私たちの前には10組ほど並んでいて、中からは悲鳴が聞こえる。ここに来てから、怖くなってきちゃった…。

「あかり? 大丈夫? 手、繋いでよっか?」

「大丈夫、平気!」

そう言って、アヤに笑ってみせた。
でも、かなりひきつってたかもしれないや。

待っている間、たわいもない話をしていたら、とうとう私たちの順番がきた。
すると、出口から人から出てきた。

「やばーい。めっちゃ怖かった!
リアルすぎるでしょ!」

…マジですか?
泣いてる人までいるし…。

「アヤ、やっぱり手繋いで?」

「言うと思った。ほら」

私はアヤの手を握り、お化け屋敷の中へ入っていった。

--------------------5分後

「うぅ…グスッ。怖いよぉ(泣)」

お化け屋敷から出た私たちは、誰もいない所にあるベンチに座っていた。

私はかなり早いうちから泣いていて、アヤに引きずられるようにしてお化け屋敷を進み、出るとすぐにここへ連れて来られた。

「あかり、泣きすぎだよ。そんなに怖かった?」

当たり前じゃん!!とでも言うように、頭をいっぱい縦に振った。
ケロっとしているアヤが怖いくらいだよ。

最初はこんにゃくだったのに、あとから特殊メイクをしたお化け役の人がいっぱい出てきたし。
出口を案内してくれた人も、案内だけかと思ったら追いかけて来て、出口まで全力疾走。

「チビるかと思ったぁ(;_;)」

「チビるとか言わない。
何か飲み物買ってくるから、ここにいてね?」

そう言って、アヤは行ってしまった。