バレンタインを過ぎてから、 美音が どんどん痩せていった。 顔色は青白く、 病的なほどに。 繋いだ手は 痛々しいほど 骨張っていった。 「大丈夫か?」 「ちゃんと食べているか?」 何を聞いても 「大丈夫」 という美音。 「何かあったら言えよ」 そう言って 俺は、美音が心を開いてくれるのを 待つしかなかった。