美音と再会して、
そして、久しぶりに家に帰った。
もう深夜の0時近かった。
俺は、静かに鍵をあけると、
リビングにまだ電気がついていた。
そっと扉をあけると、
テーブルで母さんが、お茶を飲んでテレビを見ていた。
「わ!!びっくりした!!突然どうしたの?
仕事は?え?大丈夫?」
母さんは、かなりびっくりしながら、俺に近づいてきた。
「今日は半休だったんだ。
明日は、当直だから昼前には帰るよ」
俺は、ドサッとソファーに座った。
「ずいぶんと、短い帰省ね。何かあったの?
そうだ、ちょうどよかった。
そっちに送ろうと思ってたんだけど……篤志くんがこれ持って遊びにきたわよ、はい」
そう言いながら母さんが、ずいぶん立派な封筒を俺に差し出した。
「篤志くん、結婚するんだって。職場の子と」
「篤志が?マジで…」
俺は封筒を受け取った。
それは結婚式の招待状だった。
篤志は今、地元で公務員として働いている。
役所の福祉課で障害者担当。
自分のことよりも人のために熱くなってしまう、篤志らしい選択だと思った。
招待状を見ると、知らない女の子の名前。
「この日はなんとしても有休もらわないとだな…」
「仕事相変わらず大変なの?
お父さんが、今の頑張りしだいで、これからが決まるから、
無理して頑張れって言ってたわ。
好んで無理しろって、お父さんらしいでしょ?」
ふふふっと笑いながら、母さんがお茶を持ってきてくれた。
「お父さんもさっき帰ってきてね、
今寝たところ。明日はお休みよ。一応ね」
俺は、背もたれから体を起こしてお茶を飲んだ。
「優は?」
そう、母さんに聞くと、母さんは、ホッしたように笑った。
「まだ、きっと起きているわ。もうすぐ高校生よ。
今、呼んでくるわね」
母さんがリビングから出ようとした。
「あ・・寝てたらいいよ」
母さんは、ふふっと笑って出ていった。